オイルドジャケットを長く大切に着る
BARBOUR(バブアー)のオイルドジャケットは経年変化を楽しみながら着用することができる人気の高いアイテムですが、扱い方を知らないと問題が起こりやすいアウターでもあります。
筆者自身、バブアーのファンでオイルドジャケットを三着持っているのですが、一着目を購入した際はあまりお手入れをマメにしなかったためにいろいろなトラブルを経験しました。
でも、そんなトラブルの経験も吹っ飛ぶくらいバブアーのオイルドジャケットには魅力があると思っています。
ほんの少しのトラブルがきっかけで、バブアーのオイルドジャケットの購入を後悔して欲しくない。
そんな想いで、これまでの筆者の経験をもとにバブアーのオイルドジャケットに起こりやすい「困った」を解決する方法をまとめました。
ぜひ、バブアーを愛するみなさまの参考になれば嬉しいです。
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お手入れ前の準備
バブアーの手入れには「3つのお手入れ道具」があると便利です。
このとき、お手入れ用具は必ずバブアー専用にすると考えて準備するようにしてください。
なぜなら、バブアーのオイルドジャケットに使ったお手入れ用具を他の衣類に使用すると、大切な他のお洋服にオイルがついてしまうためです。
ここから紹介する三つの道具は、困った時はもちろん普段のケアにも使えるので持っていて損はありません。お手入れ用具を持っていない人は、ぜひこの機会に準備するようにしましょう。
お手入れ前に用意するもの
- ブラシ
ブラシはバブアーのお手入れの必須アイテムとなります。
バブアーに使用するブラシは、ワックスドコットンに優しい天然毛ブラシがおすすめです。
筆者は普段、ニットやコートなどには KENT(ケント) の黒馬毛洋服ブラシ を使用しているのですが、バブアーのお手入れ用に高価な衣類用ブラシを購入する勇気がなかったため、レザーシューズ用の Collonil(コロニル) 馬毛ブラシ を使用しています。
購入しやすい価格帯で、ブラシ全体をホールドする形状も使いやすく非常におすすめです。
- スポンジ
スポンジはバブアーの汚れを取り除くときなどに使用します。
筆者はこれまでいろいろなスポンジを試してみましたが、今現在使用しているのは革靴用のCollonil(コロニル) シューズクリーナー スポンジです。
スウェード靴や登山靴などのお手入れに使うためのしっとりとした質感のスポンジで、バブアーを傷つけずに汚れも取れておすすめです。
スポンジは、100円均一にあるような台所用スポンジはおすすめしません。
筆者はバブアーのお手入れに100均のスポンジを使った際、スポンジのカスがぽろぽろと出て大変な思いをした経験があります。
また、スポンジ裏面の硬い研磨部分は生地に穴を開けてしまうこともあるので使用は避けましょう。
ソーンプルーフドレッシング(バブアー専用オイル)
バブアーの専用オイル「 BARBOUR (バブアー) ソーンプルーフドレッシング 」は、ジャケットのオイルの塗り直しや部分的な補正に使用します。
純正のソーンプルーフドレッシングは、欲しい時期に売り切れになっていることも多いため、在庫があった時に購入しておくのがおすすめです。
純正オイルが入手できない場合は
ソーンプルーフドレッシングが入手できない場合のために、代用できるワックスも紹介しておきます。
海外では代用品として、アウトドアブランドの FJALL RAVEN(フェールラーベン)グリーンランドワックス がよく使用されています。
FJALL RAVEN(フェールラーベン)は、バブアーと同じワックスドコットンを使用したリュック KANKEN(カンケン)で有名なブランドです。
カンケンはもちろん、他にワックスドコットンのアイテムを持っている場合にも使えるのでこちらもおすすめです。
まれに、化粧品に使われるワセリンや革製品のお手入れ用のミンクオイル、ギターなど楽器の手入れに使うレモンオイルなどを使用している人もいますが、そもそも衣類用オイルではないので正直おすすめはできません。
ファンにおすすめ!オリジナルお手入れキット
上記で紹介したお手入れアイテムがこれひとつで全て揃うバブーアオリジナルの「ケアキット」もおすすめです。
おなじみのチェック柄巾着に入った、ミニサイズのソーンプルーフドレッシングを含む特別セット。
こまめにお手入れをしたくなるような佇まいのケアキットは、ファンはもちろんバブアー初心者さんにもおすすめのアイテムです。
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BARBOUR(バブアー)基本のお手入れ方法 -オイルドジャケット-
困ったときの対処法
ホコリが目立ってきたら
オイルドジャケット表面の埃が気になる場合は、ブラシでやさしく取り払います。
あまり強い力でゴシゴシとブラシをかけるとオイルが剥げてしまうため、手首のスナップを利かせてホコリをすくいとるようにブラシをかけましょう。
汚れがついてしまったら
オイルドジャケットに汚れが付いてしまった場合は、まずはブラシで取り払います。
軽い汚れはブラシで落ちることがほとんどですが、それでも落ちない汚れは水につけて硬く絞ったスポンジや布で拭きとりましょう。
あまり強い力でブラシをかけるとオイルまで剥げてしまうので気を付けましょう。
スポンジで汚れを取る際も、汚れが取れないからといってお湯や洗剤を使ってはいけません。お湯や洗剤はジャケット表面のオイルを溶かしてしまうので、必ず水で汚れを取るようにしましょう。
雨などで濡れてしまったら
オイルドジャケットが雨などで濡れてしまったら、扇風機やサーキュレーターなどを使って冷風を当ててください。
バブアーは湿気が苦手です。ジャケットの内側部分に充分に風を当ててあげるよう意識してください。
早く乾かしたいからといってドライヤーなどの熱風を当ててはいけません。熱でジャケット表面のオイルが溶け出してしまいます。
シワができてしまったら
不自然な部分に皺ができてしまったら、ハンガーに吊るしてシワの部分と周りのオイルをなじませるようにブラッシングしましょう。
それでも取れないシワは、皺の部分に慎重にドライヤーを当てながら、周りのオイルと馴染ませるようにブラッシングしてください。
もうひと手間かけられるという人は、深く皺になった部分に部分的にオイルを入れ直してあげると綺麗に仕上がります。
早く皺を伸ばしたいしたいからといってアイロンをかけてはいけません。ジャケット表面のオイルが溶けてしまいます。
日焼けしてしまったら
日焼けについては、軽い日焼けであれば周りのオイルとなじませるようにブラッシングすることで解決します。
それでも日焼け部分が目立つ場合は、ドライヤーを慎重に当てながら日焼け部分と周りのオイルと馴染ませるようにブラッシングしてください。
それでも消えない日焼け跡は、部分的にオイルを入れ直す作業(リプルーフ)が必要となります。
破れてしまったら
オイルドジャケットが破れてしまった場合は、できるだけバブアーのオフィシャルサービス Lavarex(ラヴァレックス)への依頼をおすすめします。
もしセルフリペア(自分で補修すること)を考えている場合は、次の手順を参考にしてください。
破れのセルフリペアをする
ご自身で補修したいという人は、次の手順で修理を行います。
※ここでは自宅でもできるような修理方法を記載します。しっかり補修したい人は先ほども述べたように Lavarex(ラヴァレックス)へ依頼しましょう。
準備するもの
✓ BARBOUR (バブアー) ソーンプルーフドレッシング
バブアー専用のオイルワックス。バブアーを持っている人は、ひとつ持っておくと便利です。
✓ あて布
あて布に使う生地を用意しましょう。
オイルジャケットと全く同じ色のものは難しいと思うので、ジャケットと近い色のあて布であれば大丈夫です。
バブアーのオイルドジャケットは、オイルを入れる前のトーンはもっと明るい色をしています。
オイルを入れることで色味がトーンダウンし深くなるので、気持ち明るめの同系色の布を選ぶようにしましょう。
ちなみに筆者は、布人倶楽部の8号帆布 という生地を使用しています。
綿100%のしっかりした生地感と、バブアーの基本カラーがどれも揃っているのでおすすめです。※セージは「カーキ」で対応できます。
コットン100%のあて布は洗濯後に縮みが出るので、必ず一度洗濯してからあて布として使用しましょう。
✓ 布用ボンド
あて布を貼るために布用ボンドが必要になります。
ご自宅に手芸用ボンドがあればそれでも事足りますが、筆者は今後のことも考えてアウトドア用の補修材をボンドとして使用しています。
筆者が使用しているのは GEAR AID(ギア エイド) アウトドア 補修剤 。これをあて布の裏に塗って張り付けています。
もともとはあて布をせずにテントやダウンなどの穴をふさぐことができるという補修材なので、ひとつ持っておくと非常に便利です。
セルフリペアの手順
1. あて布を用意する
まず、破れたところに張り付けるあて布を用意します。
あて布のサイズ感は、敗れた部分よりひとまわり大きめで用意しましょう。
先ほども述べたように、一度洗濯しておくとなおよし。
2. あて布にオイルを染み込ませる
あて布に BARBOUR (バブアー) ソーンプルーフドレッシング を染み込ませます。
3. あて布を張り付ける
布用ボンドを使って、バブアーの表側または裏側からそのまま張り付けます。
縫い付ける必要は特にありませんが、心配な人は縫ってもOK。
オイルが剥げたり薄くなっている部分から耐久性が弱くなり破れてきてしまうため、定期的なリプルーフを行うことで破れを防ぐことができます。
カビが生えてしまったら
カビが生えてしまったバブアーは、一度ジャケット全体のオイルを洗い流し、新しいオイルを入れる(リプルーフする)必要があります。
緊急措置としては、水に浸けて硬く絞ったスポンジを使用してカビをこすり取る方法で表面的なカビは取り除けます。
しかし、この方法ではカビの根源は取れないため再びカビが浮き出てきたり、カビ臭くなったりするので、その後必ず全体のリプルーフを行うようにしましょう。
リプルーフは、バブアーのオフィシャルサービスLavarex(ラヴァレックス)への依頼がおすすめですが、ご自身でのセルフリプルーフも可能です。
臭いが気になったら
バブアーの臭いの原因は、主に「オイルの酸化」「カビ」「ご自身の汗や皮脂汚れ」が原因となります。
臭いが気になってきたバブアーは、新しいオイルを入れ直す(リプルーフする)ことで解決します。
緊急措置として風通しの良い日陰で充分に風を通す方法がありますが、その後も必ずリプルーフを行いましょう。
リプルーフは、ご自身でのセルフリプルーフも可能ですが、バブアーのオフィシャルサービス Lavarex(ラヴァレックス)への依頼がおすすめです。
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まとめ -時々ケアをするだけで問題は防げる-
バブアーのオイルドジャケットはとても魅力的なジャケットですが、お手入れも必要です。
しかし、普段から簡単なお手入れを行っておくだけでも様々な問題は起こりにくくなります。
※ お手入れ方法に関してはこちらの記事☞ BARBOUR(バブアー)オイルドジャケット -基本のお手入れ方法- でも紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
BARBOUR(バブアー)基本のお手入れ方法 -オイルドジャケット-
もしお手入れに自信がない人は ウォッシュドオイルドジャケット や、ノンオイルジャケット などのモデルを選ぶというのも一つの方法です。
しかし、オイルドジャケットは取り扱い方さえ知っておけば、共に年月を楽しむ喜びも味わえます。
オイルドジャケットの「取り扱いが分らない」ことで後悔してほしくないという想いで今回の記事を執筆しました。
ぜひ、ご自身にあったバブアーを選んで、末永く楽しんでほしいと思います。
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